アメリカ大統領の歴代ワーストランキングです。米国学者の投票による歴史的評価。1位はドナルド・トランプとジェームズ・ブキャナン(同率トップ)。3位アンドリュー・ジョンソンになっています。 直近の過去2件の投票結果を集計し、ランキングにしました。集計の対象とした調査は「APSA2018」と「Si.2018」です。
Tweet順位 | 名前、在任期間、政党 | 功績、略歴など |
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1位 | ジェームズ・ブキャナン
1857年3月~ 1861年3月 民主党 |
最も偉大な大統領として評価されるリンカーンの一つ前の大統領である。
南部諸州の連邦脱退を招き、南北戦争の原因をつくったと言われる。 大統領としてたいへん優柔不断だった。危機的な状況を打開するために「統率力」や「決断力」が欠如していたとの評価が多い。 ブキャナン大統領が就任する3年前、「カンザス・ネブラスカ法」という法律が成立した。 この法律は、奴隷制を採用するか否かは、それぞれの州で決められる、という内容だった。 この法律によって、奴隷制の「廃止」を求める北部と、「存続」を望む南部の対立が激化した。 こう状況下で、ブキャナンは大統領に就任する。 就任直後、ミズーリ州の奴隷である黒人ドレッド・スコットが「自由州で暮らしたことがある自分はすでに自由人である」として憲法裁判を起こした。 これを受けて、ブキャナンは最高裁に判決を求めた。 最高裁は「奴隷は国民には値しない。奴隷は私有財産。つまり黒人は人間ではなく財産である」との判決を下し、請求を棄却した。 一方、1854年、奴隷制度に反対する勢力が結集して共和党が創設された。 ブキャナンの人気中の1960年に行われた大統領選挙では、 奴隷制反対派である共和党のリンカーンが当選した。この選挙結果を受けて、南部のサウスカロライナ、アラバマ、ジョージア、テキサスなど7州が連邦を離脱した。南北の対立は、危機的な状況となった。 しかし、ブキャナン大統領は「離脱は憲法に反する」と非難しつつも、戦争に発展するのを恐れて正面から阻止するための行動を起こさなかった。 ブキャナンの任期切れ間近の1861年2月には南部7州が連邦を脱退して新国家「南部連合」を結成した。 弱腰だったのだ。ブキャナンは、この動きを防ぐことができなかった。 |
ドナルド・トランプ
2017年1月~ 2021年1月 共和党 |
事実を無視する「反知性主義」のリーダー。
不動産会社の経営とテレビタレントという職業から、 政治経験ゼロで大統領に選ばれた。 テレビやSNSを最大限に活用した扇動的な言動によって、 主に白人男性の低学歴・低所得層から熱烈な支持を得た。 経済政策では、 企業に対する減税を実行。 前任のオバマ政権時から続いていた株高と景気拡大を演出した。 その半面、減税によって財政は悪化した。 太平洋地域の自由貿易協定「TPP」や温暖化対策の「パリ協定」から離脱。 長年にわたり強固な同盟を組んでいた西欧諸国とも距離を置く一方で、ロシア寄りの姿勢をとる型破りな外交を展開した。 世界の覇権を狙う中国に対しては、関税の引き上げなどによって貿易戦争を仕掛けた。 政権4年目の2020年、 感染症コロナウイルスの対策に失敗。 世界トップとなる約40万人の死者を出した。 これによって高齢者からの支持が低下。 再選を果たせず退任した。1期で終わった大統領は28年ぶり。 任期中の2018年に行われた2つの調査で、 ブキャナンと並ぶ歴代ワースト大統領に選ばれた。 その後、2回にわたって米議会(下院)の弾劾訴追を受けた。 1度目はロシア政府による大統領選介入問題、 もう一度は議会を襲撃した右翼デモを扇動した問題である。 今後、ブキャナンを抜いて単独ワースト1位になるのは確実と予想されている。 |
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3位 | アンドリュー・ジョンソン
1865年4月~ 1869年3月 国民統一党 |
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4位 | フランクリン・ピアース
1853年3月~ 1857年3月 民主党 |
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5位 | ウィリアム・ハリソン
1841年3月~ 1841年4月 ホイッグ党 |
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6位 | ウォレン・ハーディング
1921年3月~ 1923年8月 共和党 |
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7位 | ミラード・フィルモア
1850年7月~ 1853年3月 ホイッグ党 |
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8位 | ジョン・タイラー
1841年4月~ 1845年3月 無所属 |
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9位 | ハーバート・フーヴァー
1929年3月~ 1933年3月 共和党 |
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10位 | ベンジャミン・ハリソン
1889年3月~ 1893年3月 共和党 |
順位 | 名前、在任期間、政党 | 功績、略歴など |
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11位 | チェスター・A・アーサー
1881年9月~ 1885年3月 共和党 |
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12位 | ザカリー・テイラー
1849年3月~ 1850年7月 ホイッグ党 |
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13位 | ジョージ・W・ブッシュ
2001年1月~ 2009年1月 共和党 |
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14位 | ジェームズ・ガーフィールド
1881年3月~ 1881年9月 共和党 |
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15位 | リチャード・ニクソン
1969年1月~ 1974年8月 共和党 |