- 安全保障と日米
Cooperative Security in the 21st Century - 環境と科学技術
Environment and Technology - グローバル化における文化芸術
Cultural Innovation and the Arts - 現代社会における企業活動と倫理
Business and Ethics in the Modern World - 人権問題と我々の責務
Human Rights and Responsibility - パーソナル/ナショナルアイデンティティ
Personal and National Identity - 災害復興と社会の再構築
Post-Crisis Reconstruction
安全保障と日米
Cooperative Security in the 21st Century
21世紀の世界は、核兵器や生物化学兵器など大量破壊兵器の拡散や民族、宗教的対立を根源とする地域紛争、非国家主体による国際テロなど新たな脅威に直面している。日本周辺では、中国の軍事的台頭や海洋権益拡大への強硬姿勢、北朝鮮の核開発問題など多くの不安定要因が依然存在する中、沖縄米軍基地の役割が改めて見直されている。日米は東アジアの安全確保のためにいかに協働していくべきか。また、ソマリア沖の海賊対策やアフガニスタン、イラクでの人道復興支援など、テロの温床となりやすい地域の安定化が新たな脅威を軽減する手段として認識される現在、日米同盟の機能の拡充が期待されている。両国は今後、アジア太平洋地域の枠組みを超え、国際社会の安全保障のためにいかなる協力体制を築いていくべきか。当分科会では日米安保を多角的に分析し、「世界の中の日米同盟」として日米が今後取り組むべき課題を考え、両国協働のあるべき姿を模索する。
環境と科学技術
Environment and Technology
科学技術の発展により人類の生活は劇的に変化した。生産力は大幅に向上し、利便性を高めてきたが、一方で地球の生態系と自然環境に悪影響を与え、地球温暖化、大気汚染のような環境問題が発生した。「不都合な真実」は改めて地球温暖化の脅威を再認識させ、環境を守る努力の大切さを啓発した。しかし温室効果ガスの削減や、再生可能エネルギーの開発が試みられる中、京都議定書などの環境条約が今なお機能しているかどうかは疑わしい。環境負荷を抑制する手段について様々な情報が交錯する現代社会において、今や企業だけでなく一般市民にも環境リテラシーの向上が求められるようになってきた。当分科会では環境問題を地球温暖化だけではなく、放射能汚染や水質汚染などの汚染問題、エネルギー問題、ゴミ問題などに至るまで多角的に捉え、それらを踏まえた上で、それらの問題をどのように解決すべきか考察していく。
グローバル化における文化芸術
Cultural Innovation and the Arts
グローバル化が進む中、文化芸術は他国を惹き付けるソフトパワーとなっている。ハリウッドは、アメリカが掲げる自由主義や民主主義を映像の形で世界中に発信した。日本のファッション、アニメ、食文化などがCOOLJAPANとして海外で注目を浴びている。例えば、漫画ONE PIECEは世界30ヵ国で翻訳され、28ヵ国で放映されている。また、茶道や華道、工芸品など日本の伝統文化も発信されている。伝統文化は、デジタル化や国際化により、今後どのように保存されていくのだろうか。風呂敷は、海外で使用された時、スカーフや壁飾りなどとしても利用されている。このように、文化は他地域に伝播すると、その地域文化の影響を受け、融合されることもあり、また、全く違う文化を生む可能性もある。これが人類の文化の発展や継承につながる。当分科会は、グローバル化やデジタル化が文化芸術にどのような影響を与えたのか考察し、今後どのように進化し、継承されていくのかを話し合う。
現代社会における企業活動と倫理
Business and Ethics in the Modern World
近年、企業活動は社会の様々な分野で行われ、企業は社会の一員として高い倫理観を持って行動しなければならない。これに伴い企業の社会的責任(CSR)という概念が注目され、企業は利益追求だけではなく、社会や環境にも配慮した活動に取り組むことが求められている。例えば「地域社会との共生」は、しばしば社会的責任の1つと言われる。各国・地域の文化や慣習を尊重し、さらに雇用創出などによって地域社会の発展に貢献することを、指針に掲げている企業も多い。環境という観点では、CO2排出量削減による地球温暖化対策や、製品リサイクル技術による循環型社会への貢献など、企業の環境保護への取り組みが重視されている。企業はどのように、経済的、社会的、環境的側面に配慮しながら、企業価値を向上させ、持続的成長を図るべきだろうか。当分科会では、企業が守るべき倫理とは何か、CSRのほか具体的事例を取り上げて考察する。
人権問題と我々の責務
Human Rights and Responsibility
21世紀を迎えた今日、人権という概念は急速に世界に広まった。基本的人権は、国籍、年齢、性別、人種、宗教、言語や地位に拘らず、全ての人々が有する権利である。グローバル化は、人々に経済的豊かさをもたらした一方で、貧富の差を拡大させ、新たな人権問題を生み出した。実際、日米におけるホームレスや若年失業者は増加しており、彼らへの自立支援や人権保護が両国にとって新たな重要課題となっている。また、2000年に採択されたミレニアム開発目標は、目標の1つとして「極度の貧困と飢餓の撲滅」を掲げているが、いまだ世界人口の6分の1が1日1ドル未満で生活している。当分科会では、極度の貧困問題、紛争時に見られる民族浄化、奴隷制度や強制労働、拉致問題、同性愛者に対する差別など、様々な人権問題を取り上げ、基本的人権とは何かを再考する。そして未来へ向けて、政府やNPO、一般市民である私たちに何ができるのかを模索する。
パーソナル/ナショナルアイデンティティ
Personal and National Identity
グローバル化が進み、多様な価値観を持つ人々が共に生活する今日の社会の中で、それぞれのアイデンティティを理解し合い、受け入れ合うことは、重要な課題となっている。移民の国であるアメリカでは、移民のアイデンティティは自らのルーツとアメリカとの間で、揺れ動く。第二次世界大戦中の日系2世は、日本人の両親を持ちながらアメリカで育ったことから、日本人とアメリカ人のアイデンティティの間で苦悩した。また日本では、アイヌや在日韓国・朝鮮人は、アイデンティティの危機に直面し、今なお社会的な差別に苦しんでいる。当分科会では、日米両国におけるアイデンティティの葛藤の事例を取り上げ、パーソナルアイデンティティとナショナルアイデンティティがどのように形成されるのかを調査する。そして、異なったアイデンティティを持つ他者の価値観を尊重し、社会の中で平和に共存していく道を模索していく。
災害復興と社会の再構築
Post-Crisis Reconstruction
未曾有の大災害となった東日本大震災からの復興は、単なる復旧にとどまることなく、被災地を活力ある地域として再生させるとともに、日本社会の再生に資するものでなければならない。そのため内向きにならずに、自由貿易協定(FTA)の締結や環太平洋経済連携協定(TPP)の参加により市場を開放し、新興国の成長を被災地域の産業活性化や日本経済の再生に取り込むべきとの動きもあるが、異論も根強い。若年人口が流出してしまったこと、被災地域に自力で復興する財力が欠如していた点など、ハリケーンカトリーナに見舞われたルイジアナ州ニューオーリンズは東北地方との共通点が多く、復興に取り組む上での教訓が得られる。復興は被災前から懸案であった課題を解決する好機ともなる。当分科会では、国内外の災害復興を取り上げ、ケーススタディを重ねることにより、復興が創造的に社会の再構築を成し遂げる方法を模索する。







