昔は三次会、四次会まで設定し、帰りにはおみやげまで出すのが流行ったが、現代はシンプル・イズ・ベストである。
鈴木君は結局、雑誌で見た"台湾風しゃぶしゃぶ"の店にねらいをつけた。
念のため、昼間、営業外出の帰りに寄って店内を見せてもらった。
個室はないが、四人用の落ちついた席が用意できるという。
時間も三時間確保できる。
取りあえずそこに決めたが、まだ一つ心配だった。
台湾風の香草の入ったタレを気に入ってくれるかだった。
心配は無用だった。
当日、佐藤課長も川岸課長も「これはちょっとかわっていて、旨いなあ」と大喜びで食べてくれた。
会食しながらの三時間はあっという間に過ぎてしまった。