2012年12月アーカイブ

スラブとは その3(三上靖史)

なぜかと言いますと、コンクリートは厚くても、肝心の鉄筋が決められた量だけきちんと「配筋」されていなければ、所詮は強度の点で劣るのです。


コンクリートは、あくまでも鉄筋あってのものです。

「鉄筋は引っ張りに強く、コンクリートは圧縮に強い」という互いの強みを発揮して、初めて意味があるのです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

スラブとは その2(三上靖史)

先の震災では、たくさんのマンションの全半壊、その後の再建のもたつきを見ました。

そこで、ユーザーがことさら「このマンションは地震には大丈夫か」という疑問を持つようになってきたためです。


一般には、「スラブ厚」と言いますと、このコンクリートの厚さが多ければ多いほど「安全性がある」と考えがちですが、それは誤りです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

スラブとは その1(三上靖史)

スラブは、簡単に言えば、コンクリートの塊のことを言うのですが、これがマンションの場合には、住戸の上下階を仕切っている各階のコンクリートのことを言います。


この厚さによって、マンションの強度や安全性、遮音という問題が微妙にかかわってくることなのです。


そのために、最近では、住宅情報の広告やマンションの販売のチラシに至るまで、今までは表現されてはいなかった「スラブ」という言葉が、ことさら頻繁に出るようになりました。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
それはそれなりに、建築学的にも裏付けのあることで、マンションの価格や見栄えが良くても、この問題で疑問がある物件は、避けなければならないことなのです。


ここに上げたスラブと遮音性の関係は、良く頭に入れて、物件の選択や自分が建設をする時でも、注意しておかなければならないことなのです。

これからのマンションの獲得は、買う側が知識武装することが大切なのです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)


現在では、一般的に、いくらスラブが薄くても、18センチが必要と言われています。

もっと言うならば、20センチあれば、問題はありません。


さらに、超高層などとなりますと、25センチのスラブ厚を確保し、建物の構造的な安全性や床の遮音性を保っているのです。


そのために、最近では、このスラブの問題が注目を集めているわけです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
スラブ厚には、その厚さによって、遮音性がまったく違ってくるという面があります。

これは当然ながら、スラブだけではなく、床の工法でも「遮音性」は変わってきます。

しかし、スラブが13センチと20センチでは、明らかに後者の方が厚さの点で差がついて、良いには決まっているわけで、それの効果は、明確に出ていることなのです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
ラーメン構造であれば、柱以外は、それこそすべてがラスや簡単な壁でよいわけですが、壁式構造の方は、壁そのもので支えられていますので、構造としての壁は、省くことができません。

主に、低層、中層には向きますが、高層や超高層には向きません。

両者には、建物の高さで、自ずと棲み分けができることになるのです。


また、将来リフォームを考える場合には、ラーメン構造ならば壁を取り払うくらいの大胆な改造も可能ですが、壁式構造のケースでは制限が多くなってきます。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
マンションなどの鉄筋、鉄骨の建物で、これを説明すると、素人にはなかなか難しい面があります。

しかし、一戸建てでたとえれば、柱で支える「在来工法」がラーメン構造になり、ツーバイフォーのように壁で支える工法のことを壁式工法である、といえぱ良くわかります。

ラーメン工法では、鉄骨による柱で支えますので、高層建築物には欠かせないものですが、その欠陥としては、部屋の四隅に大きな出っぱりができることや、広い部屋では中央に柱が出たりすることです。

これに対して、壁式構造の方は、壁で建物
を支えていますので、余分な柱が出ず、部屋の作りもすっきりとしたものになります。

その反面で、壁で支えているという関係上、開口部は少なくなります。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

また、同じ階であれば、向きは南向き、さらに言うならば、東南角部屋の方が、高く設定されているのが普通です。

しかし、都市型のマンションの場合には、隣のビルとの距離がほとんどなく、角部屋の意味のないマンションもありますので気をつけなければなりません。


また、階数でいうならば、高い方が金額的にも高いわけですが、例外としては、1階の庭付きの方が2階よりも高いのです。

その結果、一番割安なのは2階ということになります。


ただし、中古になると、一般的に1階が一番安くなりますので、注意しなければなりません。

ルーフバルコ一Tのある部屋は当然高い値段になります。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)
マンションの価格には、個々の場所やグレードによる違いはもちろんあります。

しかし、同一のマンションの価格を考えた場合には、どのような値段の構成になっているかは、だいたいは決まっています。


そこで、例えば、高層マンションの場合には、階数が高いほど、分譲金額も高くなっているのが普通です。

だから「高い階数を買いなさい」というのではありません。

そのような価格の仕組みの中で、自分の予算や好みに合った占有部分を賢く求めることが大切である、ということをわかってほしいのです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

マンションの防音(三上靖史)

マンションの遮音性ということでは、コンクリートの問題だけではありません。


音は、上階からだけではなく、窓からも当然ながら入ってきます。

マンションの立地が住宅地の中であれば問題はありません。

しかし、大きな道路に面しているところも多くありますので、当然ながら音の問題は起きてきます。


その場合に、防音という点から言うならば、次のような窓の違いに注意が必要です。


・普通のサッシ
・防音サッシ
・二重サッシ

このように三つの種類があるわけですが、普通の静かなところなら、防音対策は当然ながらいりません。


しかし、次のようなところでは、ぜひとも、防音サッシ、二重サッシを装備すべきです。


もし、そのような配慮のないマンションならば手を出すべきではありません。


・高速道路の近く
・電車の線路際
・車の多い幹線道路際
・学校がありうるさいところ
・工場の騒音のあるところ
私たちの生活に関しては、音の問題は、思いのほか気にかかります。

精神的にもさまざまな影響を受けますので、できれば二重サッシくらいのものは必要です。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

地震対策(三上靖史)

これからのマンションは、一度買ったら、できるだけ長く住みたいという気持ちと、地震があっても生命や財産を失わないということが大切になってきます。


万が一、中古で売るにしても、マンション自体の分譲時の造りのていねいさは、必ず売却価格に影響を及ぼします。


その点からも、転売して新たな物件を捜す時にも有利になります。


マンションの機能面の説明・宣伝は、いまではどこでもやっています。


大切なのは、その中で、何が書かれているかということです。


当たり前の、さしたる意味もないようなことを書いていれば、それは見破らなければなりません。


ここに示したものは、販売したマンションの一例ですが、基礎の杭、住戸当たりの柱の数、1階部分の耐震性、コンクリート強度のアップなど、いたるところに災害に強い心遣いがなされています。


その点からすれば、「スラブ厚」などということは、あえて言うべき問題ではなくなってきています。


「スラブ厚20センチ」だけを強調し、宣伝しているようなマンションは、逆の目から見ますと、それくらいしか自慢するものがない、ということも言えるのです。

三上靖史(住宅鑑定風水インストラクター)

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